SMOKE&CANDY《短》

それは嫌だな、と全く嫌そうではない表情をした來貴は私に差し出した飴を開け、自分の口に入れた。


クスクスという笑い声と、甘ったるい匂いが私を刺激する。

本当にムカつく男。

私がこのクスクス笑いも甘ったるい匂いも、嫌いなことを知っているくせに。


だけどここで感情のまま怒りを表に出せば、それこそ來貴の思うつぼだ。

こいつは私を怒らせたくてこんなことをしているのだから。


私は暑さと怒りですでにぐちゃぐちゃになっている頭を無理矢理落ち着かせて。

紺色のプリーツスカートから伸びる足を優雅に見えるように組み、煙草を吸い続けた。
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