SMOKE&CANDY《短》
「いっつも思ってたんだけどさ。セーラー服に煙草ってエロいよな」
煙草の残りがあと三口分になったとき。
これを吸い終わったら帰ろうと考えていた私に、そんな言葉を投げかける來貴。
横目に來貴を見ると、その悪戯な口元がいやらしく歪んでいた。
「……そんな女の子なら、そこら辺にうじゃうじゃいると思いますが?」
この変態、と言いたい気持ちを抑えてそう丁寧にアドバイスをする。
乱れまくっているこの時代。
煙草を吸っている女の子なんて珍しいものではない。
繁華街や夜のコンビニの前には高校生や中学生はもちろん、小学生らしき子まで煙草を吸っている。
「頼夢はわかってないな。“いかにも”な奴が吸ってても意味がない。頼夢みたいな奴が吸ってるからこそ、エロいんだよ」
いわゆるギャップ萌え?
と、來貴はケラケラと楽しそうに笑った。