小さな殺人鬼
「…あなた!神田さんの弟?」

男の子は、コクンと頷いた。

「…たちわりーデビルだなっ」

零都が、薄く笑った。

「強すぎんだよ…ガキのくせにっ!」

零都は、何か赤い光を投げかけたが、あっさり返される。

「同じ悪のデビルの弟の手足まで奪って…!」

また出すが、再びあっさり返される。

また、何かを投げようとする。

「やめて!神田さんが死んでしまいます!」

飛鳥は、真っ直ぐに女の子、美香を見つめた。

口元に笑みを浮かべ、不気味。
まるで、逃がさないとでも言われているようだ。

「うちの弟は、少しだけ悪が入ってる程度。スイッチが入れば悪が出るが、普段はただの人間…!」

零都は、飛鳥に向かって叫んだ。

「…仕方ない。飛鳥さん、弟と逃げてください」

飛鳥は、零都の背を見つめた。
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