小さな殺人鬼
「何をしてるんだ!?コイツに殺されたら…」

「だって、神田さん…死ぬ気でしょ」

飛鳥は、静かに言った。

「命がけで戦うより、まず逃げなきゃ!助かる可能性は、逃げる方が高いでしょ!」

飛鳥は、零都を睨んだ。

「…逃げることが僕たちの仕事じゃない!いち早く…」

「死んだら意味ないじゃないですか!それに、神田さんは善の力があるんでしょ。私たち人間より、よっぽど…」

「ええい、分かったよ!早くしなきゃ。弟にスイッチが入って、悪同士の戦いになったら、大変だ」

零都は、飛鳥と弟を引っ張って走り出した。

片足の美香が、走れるわけもない。

そのまま、追ってくることもなかった。
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