小さな殺人鬼
零都は、ハンドルを握った飛鳥の左手に、自分の右手を重ねた。

「…!…で、でも!数ヶ月でも、先輩ですよ」

飛鳥は、零都の手の温もりを感じて赤くなっている。

「怖い思いさせてごめんね、飛鳥さん。それと…数ヶ月先に入ってても、歳は飛鳥さん上でしょ?」

飛鳥は、零都を見つめた。

「え…。神田さん、私を何歳だと思ってるんですか!?」

零都は、少し考えてから微笑んだ。

「二十四くらいに見えます。性格は僕より下に見えますが」

飛鳥は、零都の言葉にムッとした。

「私、まだ二十歳です」

零都は、目を見開いた。

「嘘!は、二十歳!?俺より一つ上なだけじゃないですか!」

次は、零都よりも飛鳥が驚いていた。

「嘘…。私、同い年かと思ってた。十代だったのね…」

零都は、クスッと笑った。
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