小さな殺人鬼
「十九には見えない?」

飛鳥は、赤信号の時に零都の顔を見た。

美しく整った顔立ちと、サラサラの柔らかそうな茶色い髪。

「…んー。年齢不詳って感じです。年上って言えばそんな気もするし、同い年の気もするし。年下って言えば、そんな気も…」

飛鳥が、そう言うと零都が顔を近づけてきた。

「!」

飛鳥が驚いていると、零都がクスッと笑った。

「キスは大人かもね…」

甘く優しい声に、飛鳥は溶けそうになる。

(近い…近いぃ~)

飛鳥は、真っ赤になりながらも零都の端正な顔に釘付けになっていた。

「クスッ…真っ赤になっちゃって可愛い」

低く囁かれた声。
だが、とっさに零都が離れていった。
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