小さな殺人鬼
「前、お母さんに貰ったの…。でも、目を見る度にお母さんの目が映るの。見たくないの…。だから、取っちゃった。他の人から目を取ったら、お母さんを思い出すから…」

飛鳥は、悲しげな声を聞いて俯いた。

「気配で分かるもん。だから、目はいらないの…。目だけは…」

飛鳥は、静かに美香を見つめた。

「美香ちゃんは、何で手とか足とか…目がないの?」

飛鳥の声に、美香は小さく答えた。

「地面から、熱いものが出て…無くなったの」

地面から、熱いもの…。

「地雷…?美香ちゃん、地雷で手足や目を?」

美香は、頷いた。
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