小さな殺人鬼
「どうした?」

すぐに駆けつけてきた零都に、美香のことを伝える。

「…分かった。美香!今から大事なことがあるから、車に乗れ!」

怯えた美香に、飛鳥は微笑んだ。

「大丈夫。変なことはしないから…。お姉ちゃんを信じて?ちょっとだけだよ」

嘘をついて、飛鳥は美香を車に乗せた。

そしてすぐ、隔離用の大きな水槽のような場所に閉じ込めた。

「お姉ちゃん…お姉ちゃん!」

悲しい美香の叫び声が聞こえる。

「ごめんね…ごめんね、美香ちゃん」

飛鳥は、そっと逃げるようにその場を去った。

今から起こる事件を、まだ誰も予想しなかった。

零都でさえも。
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