小さな殺人鬼
両目に巻いた包帯。
右手足はあるのに、左手足はない。

そして、ゆっくりと女の子の口元がニヤリと笑った。

その瞬間。

バシュッ…

鋭い音が聞こえた。
鋭利な刃物のような…。

何が起こったのか、分からなかった。

バサッと音がして、下を見ると血にまみれた腕。
そして、自分の腕がないことに気がつく。

「お姉ちゃんの手、もーらいっ」

飛鳥は、その場にへたり込んだ。

血が吹き出し、周りの草は赤黒く染まる。

「ねぇ、お姉ちゃん。お姉ちゃんの腕は大きすぎて、美香にハマらないよ」

飛鳥は、女の子…いや、美香を見た。

「美香?」
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