歪んだお姫様の御伽噺
「ここで僕はある娘さんにたすけられたんだよ?
君と同じような茶色のブロンドの髪の色をしてたな…」
当然よ。
だって貴方を助けたのは私だもの。
なんて言いたくても、人間になったから、声を出せないの。
足だってとても痛いわ。
だけど…貴方と一緒に暮らせるなら、このままでもいいって思えるの。
このまま、幸せな時間が続いてほしい。
そう願ってた。
「そうだ、浜辺を散歩してくるよ。
あの娘に会えるかも知れないし…」
会えるわけないって私は思った。
でも、私は甘かった。
だって、貴方は私の髪の色と、ぼんやりと見えた私の顔だもの!
はっきり覚えてないから違う人と見紛う可能性だってあったのに!
あそこで私が引き止めれば、
こんなことにはならなかったのかもね。