歪んだお姫様の御伽噺
「見て見て、アリス。
サンドリヨンの家にも王子様が探しにきたみたいだよ」
「そうね…」
「…うっ!!…かはっ」
アリスが
吐血した
「アリス!?大丈夫!?」
灰色の髪の毛をした男が問う
「……姉…さん…」
「アリス!?ダメだよ!!!
まだ、ダメ!!
思いだしたらダメ!!
アリス…」
そう言って
灰色の髪の毛の男、
否、
白ウサギは
アリスをふわりと抱きしめた。
「落ち着いて、
大丈夫、僕はここにいるから」
‘ネエ、ワタシヲ
ミツケテ?’
アリスはそっと、
誰にも聞こえないように呟いた
「…姉さん、
私は…
ここだよ」