歪んだお姫様の御伽噺
▽屋敷にて▽
「じゃあ次はこっちの娘を…」
継母が王子の使いにむかって言った。
だがまたその靴は彼女にとって小さすぎるようだ。
継母はそれでもさっきやったように
「このナイフでかかとを削り落とすんだよ」
と言った。
だが、娘は
「嫌ですわ、お母様。
私痛いのは嫌ですの」
「大丈夫だ、王女になれば歩くことなんてないんだからね」
「いいえ、それでも嫌です」
「嫌だ嫌だと煩い子だね!!
私はお前たちの為に王子と結婚したほうがいいと思ってやってるんだよ!?
そのほうが贅沢暮らしができるだろ?
ほら、足だしな」
「いや…
お母様!!やめて!!!!!
痛い!!
きゃぁぁああぁぁあああぁぁぁああ!!!!」
そして、
人形のように動かなくなった彼女を継母は使いの元へ運び、靴をはかせ、
馬車へと押し込んだ。
馬車を走らせていると、また歌が聞こえてきた。
♪彼女の足も真っ赤か
靴も一緒に真っ赤か
靴に溜まった赤い液体、
その赤が足をそめる
その靴をはくべき人はすぐ近くに…
彼女はサンドリヨンの屋敷へと運ばれ手当てをされた。
そして…
サンドリヨンは意を決してその王子の使いに話しかけた。
「私も、
はいてみていいですか?」