歪んだお姫様の御伽噺
▽城にて▽
「おお…
君が、あの時の…」
「王子様…」
二人は見つめあい、
そして口を開いた。
「王子様、貴方の名前は…****でしょうか?」
「…やっぱり君はあの*****?」
「そうです…
嬉しいっ…」
「昔…僕が言ったこと覚えてる?」
コテンと首を横に傾げるサンドリヨン。
「…あの時言った言葉、思いはまだ変わっていない…
僕と結婚してくれませんか?」
サンドリヨンは目から涙が溢れた。
止まらなかった。
溢れて、溢れて、
ずっとずっと泣いた。
そして
「はい」
と、か細い声で
だけどしっかりと伝えた。