歪んだお姫様の御伽噺








サンドリヨンはベランダにでて、星を見ていた。






「ねえ、さっき私を探していたのかしら」
























その声でサンドリヨンは顔を上げた。









そう、あの時の少女の声だったから。


そして、サンドリヨンは彼女に問いかけた。










「ねえ、貴女の名前は?」


「……私は、レイシー」



「何故、あの時私を助けてくれたの?」



「クスッ…なんでかしらね…」






サンドリヨンは次々に質問していく。











「じゃあ、何故私は貴女の囁き声で彼を殺そうとしたの?」



「……」



「私は彼を殺したくはなかったのに…
身体が勝手に動いたの。」



「……」



「ねえ、何故?」
















レイシーは黙りくっている。
そして、




「彼…王子様を愛しているんでしょう?」



「勿論よ」



「殺したいほどに?」



「は!?」



「憎いほどに?」



「それほど愛しているんでしょう?」



「ちょっと待っ」



「そう、それが答え」









「クスッ…ほら、彼は寝室にいるんじゃない?
早く行けば…?」







彼女に言われたら行かなきゃいけない、
そういう気がしてきた。







「じゃあ、ね…
レイシー…」



「ええ
さようなら、サンドリヨン」



























‘永遠に…’














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