歪んだお姫様の御伽噺
「貴方から私を呼び出すなんて珍しいわね」
「…ああ、」
「私、ここの森の散歩大好きよ」
「…ああ、」
「…大丈夫?」
「…ああ、」
考え事をしていたせいで白雪の話しを全く聞いてなかった
「ずっと気になっていたのだけれど、そのナイフはなにに使うの?」
驚いた。びくりとして白雪を見る
彼女はこっちを不思議そうに見ていた
「蔦が足に絡まったときに蔦を切るためだよ」
「あら私そんなドジしないわよ」
「俺がするんだよ」
「あらそうなの」
彼女はくすりと笑った
「笑うなよ」
「だって」
彼女が得意なクスクス笑いをして答える
この時間がずっと続けばいいのに、
時間が止まればいいのに
そう思った