死 神 少 女
「ん…?るい…?
おかえり…。」


そいつは寝ぼけ眼の瞳でこちらを見ると、目をこすりながら起き上がる。



"鮎川 結衣(アユカワ ユイ)

俺と同じ高校に通う、高校1年生。
家が隣で幼なじみ。

俺にとっては妹みたいな存在─…




俺は鞄を置き、結衣に近づく。


「まったく…。
お前最近毎日ここ来てない?」





「…るい。すき…。」



俺の言葉を無視して、抱きついてくる。



「無視…?
それとも寝ぼけてんの?」


「寝ぼけてないもん。ほんとに好きなんだもん。」



「はいはい。
寝言は完全に寝てる時に言え。
それに俺彼女いるし。」

俺は抱きついている結衣を引き剥がしながら言う。



「結衣ね、るいが彼女の事"好きじゃない"って事くらい知ってるんだよ。」



「は…?」


一瞬、胸が"ドキリ"と鳴った。



「ねぇ、るいは好きな人、いないの?」



「…お前、なんか今日、変だよ?何かあった…?」



「…」




「結衣…?」




「…ゆい、帰る…。」



「…え?」






結衣は静かに、部屋を出ていった。


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