本気でハマった女
俺はそのまま実夢を押し倒していた
きっと嫌がっていただろう
でも、その時の俺はどうかしてたんだ
もう抑えることができなかった


(俺…なにしてんだ!?)
冷静になった時には遅い
実夢は、俺の下で泣いていた

『実夢…ごめん…』
返事はない


『俺…ごめんほんとにごめん…(あれ?俺泣いてる?)』

『…恭平がなんで泣くの?』

『…俺…実夢が好きだ…なのにごめん…』

実夢は、何も言わずに俺の部屋を出た

知ってるよ
叶わないって
こんなに好きでも、お前は振り向いてくれないって
俺のことは兄貴にみたいに思ってるの
知ってるよ

でも、俺はお前が好きなんだ

俺はそれから家から出なかった。
ただのひきこもりだ
好きなやつを襲った
好きなやつを泣かせた
最低だな俺…
俺の携帯が鳴った
亮からの着信だ

『もしもし?』

『恭平?俺との約束忘れてない?今日は、Wデートするって約束しただろ!!お前がこないから女帰っちゃったじゃねーかよ。これからお前の家行くからなんかおごれよ。』

そんなことを言って電話が切れた
実夢なにも言ってないんだ…

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