本気でハマった女
『実夢面倒そうやけどいいん?』
そう言われて俺は、


『俺には、面倒なのがいいねん笑っ』
そう言うとそうかと悠は、笑った。
俺と悠は、取り合えず実夢と詩織の待つ卓に戻った。
亮と葵さんが俺に気がつき
『実夢の隣座る前にこの間に座れ』
少し怖い顔をして亮が俺に指示した。葵さんは、少しやれやれって感じで亮をいつも見てるな。だから、仲が良いんやろうな。

『今日俺は、葵の部屋に泊まるからな。悠とお前一緒なんだろ?帰る場所ないんじゃ実夢が可哀相だからな。ただ!!絶対抱くなよ!!抱いたら『はぁ…好き同士ならいいでしょ?呆れちゃうよ実夢ちゃんも。いや嫌われちゃうよ?可愛いのは、分かるけど…縛りつけ過ぎだから亮の言うこと聞かなくなっちゃった部分あるんだから少し考えなさいよ。』』
亮が話してる間を遮ったのは、葵さんやった。


『でも魁くん?実夢を大切に思ってるなら避妊だけは、してね。それだけは、約束。』

俺は、少し状況が掴めなくて
『実夢は、一人暮らしじゃないん?』
そんなことを聞いたら


『実夢は、俺と住んでるよ。わざわざ池袋でな。部屋は、3つあるし、実夢の部屋もあるから自由に今日と明日は、泊まっていいぞ。』


亮は、新宿やと思ってたわ…
『ほんまに?』


『………実夢………気がついてないだけで魁のこと好きなの解るからな。鈍感だから、気がつくのに時間かかるかもな。
それに仕事場でなんかあったんだろ?服も違う、下着もつけてない。それでラブホとかに泊まっても実夢かわいそうだろ?実夢は、昔から言えないんだよな…そう育てちゃったのは、俺の責任だからな』
亮は、苦笑いしながらビールを飲んだ。やっぱり兄貴やなって思った。そんな亮にでさえヤキモチを妬く俺…


そんな亮にもたれかかって、甘えたように寝る実夢は、ほんまに子供みたいやった。俺が知ってる実夢は、いつも周りに気を使って神経張り巡らして、自分の居場所が見つかってない女やから。
実夢の居場所は、俺にしたる。
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