princess~私の宝物~
【どうしたの・・・・姫奈・・・】

30分くらい泣いた。

お母さんはずっと声を掛けてくれた・・・・


すると電話が鳴った。


プルルルプルルル

私は利香が電話をくれた、利香・・・。が否定してくれる。私はいるよと。

何かを期待するように電話にグラグラした足で走った。


【もしもし・・・】

私の期待はすぐに裏切られた。

【あの平野隆と申します】

【・・・・・・先生・・・・?利香は?利香は?先生!!!!!!!利香は?】

【・・・・・・】

【ねぇ先生?利香は・・・?答えて!!!ねぇ先生!!!!!】

【すまない・・・】

【違う違う!!!!!】

私は受話器を投げ出した。そして靴も履かず真っ暗な外へ走った。


涙が溢れる。止まれ!!!止まれ!!!こんな涙止まれ!!!

声を押し殺して足を前へ前へ。小さな光を求めて走った。


ここだ。ここだ。


私は向かったのは利香の家だった。


利香!?利香!?


ねぇ利香!?


声に出ているのか分からない。


ドンドンドンと何回ドアを叩いたか。



そして光はプツッと音を立てて消えた。







そうだ・・・・・・・・・・。利香は・・・・・・・・。死んだんだ。












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