???
 ヨッタには、信じられなかった。さっきのあざらしとの格闘といい、小柄とは言え、ヨッタを乗せ疾駆するくっきーの事がだ。


「凄いぞくっきー!こんな事出来るなんて。」
 そしてくっきーの首筋をトンと叩いた

「ワンワン!」
 くっきーは喜ぶ

「しかし、あいつらどこまで付いてくるつもりだ?そうだ、くっきー雑木林の方に逃げよう。あいつら車だから来れないはずだ。」

 ヨッタが考えたのは、つづら折り状になった、道と道との間の雑木林を進み、ショートカットする事だ

「ワン!」

 ヨッタ達は、旧道を外れ、雑木林へと突っ込む。

 くっきーは、下の旧道目がけ、急斜面に生い茂る木々を避け、下り続ける

「よし!これならあいつら来れないだろ。」
 ヨッタが後方を振り返る。

 バキバキ!

 旧道を走るハイラックスのヘットライトが、90゜向きを変えた。そして生い茂る木々を、次々と薙ぎ(なぎ)倒し進んでくる!

 ハイラックスには、傷一つ付つかない!

「うわあー!駄目だ。ショートカットも効かない。」

「ははは、馬鹿が。こいつは、ただの車じゃねぇーぞ。おまえ等が、どこに隠れようが“生体認識システム”で捕らえてやる。」
 ごんぞはヨッタ達を見据え笑う。
 
 両者は雑木林を下り、再び旧道へと戻って来る。

「いいぞごんぞ、もう少しだ。あいつらの前に回り込もう。」

「よーし。分かった、加速するぞ。」
 ごんぞがアクセルに力を籠めた、ハイラックスが加速する!
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