???
「貴ボン先輩!あれ、あざらしでは?」
 紫織が落下してくるジークレに気付いた。

「そうだ!くそぅ、とどめだ!」
 貴ボンは言って、空高く飛び蹴りを放った。

「紫織も行きます!」
 同時に紫織が白虎刀を振りかざす。

 ビシッ!ズバッ!

 二人のX攻撃がジークレに叩き込まれた。

「ガグギャァア!」
 ジークレの巨躯が地面に屈伏した。そしてもう二度と立ち上がる事は無かった。

「うおー!もう二度と逃がさねど。おでだぢの勝利だ!」
 将太郎がジークレの骸(むくろ)の上に足を乗せ、高々と勝鬨(かちどき)をあげた。

「うおー!」
 人々がそれに呼応する。


「き…京子?」
 その様子を尻目に貴ボンは京子の姿を探す。

「京子お姉さま!」
 紫織も必死にその姿を追った。


「紫織ちゃん、大丈夫。京子ちゃんは、あの建物の屋上にいるよ。さっき、大門さんがあの建物の所有者に連絡入れたから、すぐに助けられるさ。」
 千秋が紫織を慰(なぐさ)めた。
< 139 / 218 >

この作品をシェア

pagetop