???
「ボスしゃん、怒ってないでしゅかね。」
 木網は既にキャミーに戻っていた。

「ゴワイゴワア。」
 トランクもしかりだった。

 二人は鈍平のセフィーロに乗り込んでいた。

「なあ、この鉄板、重くて…」
 鈍平が鉄板を背中に担ぎ、ヨロヨロと近づいてきた。

「捨てていいでちゅよ。」
 キャミーがあっさりと言った。

「はぁ?」

「必要無いでちゅ。それと、この車貰ったでちゅ。」

「はぁ?意味が分からんが。」
 慌てて返す鈍平。

「お別れでちゅ。」
 言ってキャミーがエンジンを掛けた。


 セフィーロが空に浮き出した。鈍平のセフィーロはシメジによって、宇宙船に改造されていたのだ。


「お別れってキャミー・トランク!」


 鈍平の言葉も無常に、セフィーロは浮遊を続ける。
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