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「あれっ?貴ボンその頭!」
 その時気付いた。貴ボンの、あの七三のかつらが無く、代わりに沢山の絆創膏が貼られていたのだ。

「聞いてくれヨッタ。これぞあざらし討伐の勲章だ。しかも、俺の“この頭”見ても京子は“笑わなかった”んだ。愛の勝利だよ!」
 貴ボンは両手を天にかざし歓喜の声をあげる。

「京子お姉さま…」
 貴ボンの言葉に反応し、紫織の表情が沈む。

「紫織ちゃん…京子がどうしたって?」
 ヨッタは紫織を振り返る。

「京子が行方不明なんだ。あのあざらし事件のどさくさに紛れてな。…俺はあの“鎖マニア野郎”が怪しいと思うんだ。」
 貴ボンがマジマジと言った。

「行方不明?鎖マニア野郎って…何の事だよ!」
 意味が分からずヨッタが問い質す。

「あのあざらし事件には続きがあってな…

 貴ボンが話し出した。
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