???
「ジャスは、百五十年程前この日本に滞在していた時期があった。」
 ごんぞが話し出した。

「日本に?」

「その頃の日本は、時代の変わり目で、国が真っ二つに別れて戦ってたそうだ。」

「…真っ二つ…!幕末!」

「確か、そう呼ばれていたな。とにかく、ジャスは、京都といわれる地にいた。そこで彩音(あやね)という、一人の少女に出会った。…それが、奴の運命の始まりだった。」

「幕末の京都っていえば、勤皇・佐幕の志士達が夜な夜な争い、地の雨に染まった場所。」
 興奮するヨッタ。

「そして時は流れ、明治と呼ばれる時代、二人は再開する、この街で。…ジャスは彩音に特別な感情を抱いていたらしい。好きとか嫌いとかの次元を超えて。」

「へぇー、あのジャスがねぇ…。」
 ヨッタは少し意外に思った。


「…だが、彩音は、とある星から来た侵略者だったんだ。それを知ったジャスは彩音を切り殺した。」

「そんな…」

「彩音の本当の正体は、破壊の女神リバティ。…それからだ、奴の背中に入れ墨が浮かび、正義王(ジャスティ)と呼ばれ始めたのは。」


「俺、気絶して覚えていないけど、あの全てを飲み込む様な銀色の光と暗黒の闇だけは微かに感じたな…」
 ヨッタはベイブリッジでの死闘を思い出し、気が引き締まるのを感じた。
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