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 二人の体躯が、幾多の思いを乗せ、激突した!


 愛する人、頼もしい友、幾多の仲間、最強の好敵手、悪の組織それらの思いをうけて。

 二人が戦う意味…それは“大銀河”この広い荒野にもにた世界で生き抜く為の“己の信念”だ。


 やがて二人が背を向けて飛び退いた。

「お…れ…は負けない!」
 息も絶え絶えで呟くヨッタ。

 ザイーテンもガックリと肩を落とす。

「なる…ほど。言うだけの…事はある…お前は…私と…違って…あ…愛する人を…守ったようだな…」

「愛する人?」
 紅潮するヨッタ。

「がはぁつ!」
 次の瞬間、ザイーテンの胸部が激しくへこむ!その体をくの字に曲げた!

 立ち昇る蒸気、ばらばらに崩れ落ちる槍。同時に体が、元の骸(むくろ)の様な姿に戻る。

 そして精神力を尽くし、海に落下していった。



「ザイーテン!負けは許さんぞ。」
 アスラの艦橋(ブリッチ)、司令席に座るデットーリーが吠えた。

 キャミーとシメジがゴクリと唾を飲み込む。

 片隅で元の姿に戻り、胸に絆創膏を貼ったトランクが震えている。

「この地球に英雄(ヒーロー)が誕生したのは、聞いてる!…だが何だあいつは、今までの“体力バカ”と違うでは無いか!」
 デットーリーが、目の前の操作盤を叩いた。

「キャミー!“ソドム”の用意をしろ。」
 そしてキャミーに命令する。
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