???
「ソドムでちゅか!でもあれを使ったら街が壊滅ちてちまうでちゅよ!」
 慌てて振り向くキャミー。

「…構わん、街の一つや二つ…我等の恐ろしさ見せてやる。」



 ソドム…旧約聖書に出てくる滅びの街の名である。

 かつて大戦初期、ヴェスタ帝国戦艦アスラは、地球に現われた事があった。そこで滅ぼした街ソドム。その名を与えられた兵器こそがソドムなのだ。


「早くしろキャミー、ソドム発射準備だ!」
 デットーリーが、叫んだ。

「で…でちゅが…」
 戸惑うキャミー。

「三分以内に発射しろ。…私はその間、奴等の相手をしてくる。」
 言ってデットーリーは艦橋を後にした。

「……」
 デットーリーが退室するまで、ずっと眺めるキャミー。

「キャミー、早く用意を。」
 煮え切らぬキャミーを、シメジが煽った。
「…でちゅね。やるでちゅか。」
 キャミーは渋々、ソドム発射の非常スイッチの安全カバーを開けた。

「期待してますよ。あなた、いつも私の作った“シュミレーションゲーム”で練習していたんですから。」
 シメジが前を見据える。
「グア…」
 トランクが不安そうにキャミーを見つめた。

「い…いくでちゅよ。」
 キャミーはゴクリと唾を飲む。そのまま赤いボタンを押した。

 ウイーンウイーン。

 警告音が鳴りだした。
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