???
『オールシーケンス。システム準備率、91%。…』アスラ内に非常放送が響く。


「おしいでちゅね。街を破壊ちゅるなんちぇ。」
 キャミーは名残惜しそうに、スクリーンに映る街並を眺める。

 スクリーンには攻撃を受ける公園が映る。逃げ惑う人々、瓦礫と化す建物。


 キャミーの視線に慌てふためく鈍平の姿が映った。

「馬鹿でしゅね。鈍平…早く逃げればいいでしゅのに。 」
 キャミーが笑う。だがその笑い顔は、哀愁(あいしゅう)が漂う。

「ガマダゴウジンギョグ。」
 不意にトランクが、立ち上がる。

「気持ち悪いでしゅか?呑みしゅぎでちゅよ。頭冷やして来るでちゅよ。」

「…ドンベーガンバ。」
 トランクは相変わらず意味不明ながら、キャミーに気持ちを託し、艦橋を後にした。

「そんな…分かってるでちゅよ、トラしゃん。」
 キャミーが唇を噛み締めた。



「畜生!開きやがれ…」
 ジャスはしつようにアスラを叩く。しかし本体に何ら傷跡は穿てずにいた。

「はぁはぁ…ヤバいよな…」
 そして考え込む。

 ふと上を見上げた。


「ガァーラ。」
 アスラの一部の扉が開いている。しかもそこからトランクが足を投げ出して座っている!


 そう彼は、酒酔いをさますため風にあたっていたのだ。しかも煙草を吸いながら…
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