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「す…すごい!」
 ヨッタはスケールの大きさに感動する。

「そのマジェスタには“スーパヒーローアカデミー”通称“S.H.A”ってのがあってな、千年に一度、宇宙中の強者達が集い、あらゆる学問・武術・魔術その他色々学ぶんだ。それもその内容ってのが、恐ろしくキツイものでよ、数年後に残ってんのは一割弱だ。しかも最後に、スーパヒーローになれるのはたった二〜三人。その狭き門をくぐり抜けて来たのが、俺様ごんぞ様だ!」
 ごんぞが自慢気に言った。

「すげぇすげぇ!あんたまじ、スーパヒーローな訳!スーパヒーローならやっぱり…」
 ヨッタは憧れの眼差しを向ける。

「ああ、俺達の仕事は一つ。銀河連邦に仇(あだ)なす悪党を叩き潰す事だ。」

「だよね!正義の味方だろ!でも、そのスーパヒーローが何で地球に?」

「理由は二つ、まず一つ目が、“英雄”(ヒーロー)捜し。」

「英雄(ヒーロー)?スーパヒーローとどこか違うの。」
 ヨッタは戸惑う。

「スーパヒーローは宇宙全域で“三十四人”しかいない。無論、宇宙は広大だ。それをその人数で守護するのは“海に落ちた針を拾う”行為に等しい。それで連邦は銀河パトロールなる物を立ち上げた。」

「銀河パトロール?」

「まあ、言ってみれば地球の警察組織みたいなもんだ。こいつらは、宇宙全域に多数存在する。だが…」
 ごんぞが言い淀んだ。その様子を固唾を飲んで見守るヨッタ。

「だが…何?」
 堪らず(たまらず)問い質した。

「最初は良かった。銀河パトロール発足(ほっそく)以来“約八億年”全ては巧く回っていた。だが近年“ある事情”により、事態は急転した。パトロールの連中じゃ手に負えない、強者達が“群雄割拠”(ぐんゆうかっきょ)し始めたんだ。」

『そんなのが地球に攻め込んできたら、全ての人類は…』ヨッタは体に震えが来るのを覚えた。
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