???
「ファファファ。これぐらいでアスラは落ちんわ。だが貴様はどうかな!」
 デットーリーは続け様に拳を落としてくる。

 ヨッタは、必死で転がる。

「だ…駄目だ、避けるのがやっとだ。」
 反撃の余裕は無い。唇を噛み締めた。

「ヨッタこうなったら、ごんぞに“電話”しよう。」
 不意にポゴが言った。

「え…ごんぞに電話?」
 避けながら、訊ねるヨッタ。

「前にごんぞが言ってただろ『もしもって時は、そのボタンを押せ。俺が駆け付ける。』って。」

「あ!」
 ヨッタは思い出した。ごんぞに渡され、携帯に取り付けたアンテナのような装置の事を。

「でも、ごんぞの助けを借りても…ごんぞって、ただのパトロール隊員なんだろ?」


「何を、お喋りしている!」

 ズガッ。

 デットーリーの拳がヨッタの左足を掠(かす)めた!

「うあーっ!」
 もんどりうつヨッタ。

「あ…足が動かない!」
 既に“翼をもがれた鳥”同然だった。

「はぁはぁ。逃げ足の早い奴だ。…だがネズミの足は潰した。どう退治してくれようか。」
 デットーリーは身を止め、身動きの取れないヨッタを見据える。


「ヨッタ。君は何か勘違いしているよ。…聞いて、ごんぞはS・H・Aを落第した訳じゃあ、無いんだよ。自分から辞めたのさ。」

「え?」
 驚き遠くを眺めるヨッタ。


「…ごんぞは、銀河連邦最強のパトロール隊員なんだよ。」
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