???
「ダッセー!」
 慌てて飛び起きた。

『ヨッタ、躊躇(ちゅうちょ)している余裕は無いぞ。俺の変身していられる時間は、“三十秒”。あと二十秒だ!』ごんぞが囁く。

「ごんぞ、“三こすり半”だから。」
 とポゴ。

「二十秒って…」
 テンパるヨッタ。

「ふざけるのも大概にしろーっ!」
 デットーリーが再び突っ込んでくる。

「だ…駄目!バランスが…」
 やはり態勢を崩すヨッタ。

 デットーリーの左拳がヨッタの頬を捕らえた!

 ツルン!

 だが、まるで摩擦が無くなった様に、ヨッタの顔が滑って、拳を弾いた。

 そして体がパチンコ玉のように回転する!

「うわーっ目が回るーっ!」
 ヨッタが叫ぶ。

『おっ!キャノンボールか。』ごんぞが囁く。

 ヨッタの体の回転は激しさを増す!凄まじい放電が起こる!


「…!?」
 テンパり続けるヨッタ。


「な…何い!」
 デットーリーが叫ぶ。

 ギャギャギャ!

 ヨッタの回転が、デットーリーを四方から襲いだした!


「キャノンボール!!」
 ポゴが叫んだ!

 ギャギャギャ!!ズドーン!

 激しい爆音と共にデットーリーの体躯が吹き飛ばされた!

「ぐぁぁぁぁぁーー!」
 そして海上へと落下していった。

 途端にごんぞが戦線離脱し、ヨッタの姿が元の金髪マンに戻った。

「やったー!やったねヨッタ」
 ポゴがヨッタの眼前に姿を現わしはしゃぐ。

「…もうやだよ。…ごんぞと合体するの。」
 ヨッタが膝をおる。

 回転攻撃が性(しょう)に合わないうえ、ヘンチクリンな姿が嫌だったのだ。

 瞬間、ヨッタの赤い体も元に戻った。



『俺って…そんなに格好悪いか…』ごんぞは元の場所に戻っていた。
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