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「それでマジェスタが取った行為は、S.H.Aに通えぬ、貧しい者、存在を知らない者達の中から才能のあるもの達を、S.H.A予備軍として各地から見付け出す事だった。つまりそれこそが、英雄(ヒーロー)って事だ。」

「そ…それって、俺達地球人にも、英雄(ヒーロー)になれる資質があるって事?」
 ヨッタが歓喜の声をあげる。

「ああ、この星にもかつて英雄(ヒーロー)がいた。最近五百年間は、不在の時期が続いているがな。」

「へえー!それで英雄(ヒーロー)は見つかったの?」

「ああ、それはお前だ。」
 ごんぞは、ヨッタを指差す。

「へ?」
 ヨッタは呆然となり、周りを見回した。

「忘れてるかも知れんが、お前一度死んだよな。」

「あ…ああそう言えば!」
 ヨッタはあの瞬間の事を思いだし、自分の体を探りだした。

「まあ、つい轢い(ひい)ちまったんだがよ。大丈夫お前は生き返ったんだよ。」

「銀河連邦の技術で?」

「まあ、技術って言っても、死んだ者をそう簡単に生き返せるのは出来ない。連邦だって神じゃねえからな。」

「じゃあ、俺がこうしているのは、何で?」

「人工心臓さ。英雄(ヒーロー)専用の人工心臓を、お前の体に埋め込んだ。」

「人工心臓?英雄(ヒーロー)専用?」
 流石にヨッタにも意味が飲み込めずいた。

「…まあそうだな。簡単には分からんか。おいポゴ出てこい。」
 ごんぞがポゴを呼ぶ。しかしこの部屋にはヨッタとごんぞの二人しかいない。

「誰それ?」
 不思議に思うヨッタ。

 その時ヨッタの右胸が波打った。

「え…えぇ?」
 突然の事態にたじろぐヨッタ。ごんぞが鋭い視線を向けている。

 モコモコ!次の瞬間ヨッタの胸が大きく膨らんだ!そしてそれは見る見る間に延び続け、二十センチ程になると、何かの姿へと形を変えていく。



 それはポゴの姿だった!
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