???
 銀色の輝きが辺りを包み込む。

「うわーっ!目が…」
 遠く見つめる人々の目が塞がれる。


 ただの人間に戻った、ヨッタにもジャスの姿はみえない。


「正義王(ジャスティ)…でも、あの力を使ったら、ジャスの能力を食い尽くされるんじゃあ…」
 目蓋(まぶた)を閉じながらポゴに訊ねた。

「…言ったろう、ジャスは正義の為、いかなる犠牲もいとわないって。…この街を守るのが、ジャスの正義なんだよ。」


 アスラの巨躯がゆっくり浮遊を開始する。

「どりゃーーっ!」
 ジャスの背中が輝きを増す。



「よし…軌道に乗ったぞ…」
 アスラを操作するザイーテンの顔に安堵(あんど)の表情が浮かんだ。



「行けーーっ!」
 ジャスの叫びと共に、アスラの浮遊が加速する。

 ゴゴゴゴ…!

 遂にアスラの軌道が確保された!

 ズズズズズ…

 徐々に天空に姿を消していくアスラ。

 やがてその姿を完全にかき消した!



 全ての災厄が途絶えた港街。



 正義王(ジャスティ)の光で視力の潰された、ヨッタを始めとする人々の中、ごんぞだけがジャスを見つめていた。
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