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『ジャス…お前、変わったな…』昔のS・H・A時代のジャスしか知らないごんぞが思った。『だが…良いのか?それで』


 突然、ジャスの体から暗黒の闇が溢れだす!

 闇は、機を狙っていたばかりに銀色の光を食らい尽くして行く!

 遂に正義王(ジャスティ)の輝きが全て食い尽くされた!

 それでも微動だにしないジャス。

 暗黒の闇は徐々に狼の姿を形造る!

「グアーーッ!」
 狼が吠える。

 それは暗黒神・風牙だった。正義王(ジャスティ)を食らい尽くした風牙は空に逃げ去ろうとする。



「逃がさねぇーぞ!くそ“狼”がぁーっ!」
 ジャスが叫ぶ。風牙の闇がジャスの体に吸い込まれる!

「グギャーーッ!」
 風牙は断末魔(だんまつま)にも似た、うねりを残しジャスの体にかき消えた!


「それがお前の幕引きなんだな。」
 ごんぞが呟いた。



「彩音、すまん。お前と逢えるのは後、何年後だろうな。」
 元の静寂の中、ジャスが空に向かって呟いた。


 正義王(ジャスティ)の力を風牙に奪われたジャス。それは愛する者を殺された思いに酷似(こくじ)していた。

 ジャスは正義王(ジャスティ)の能力を捨てたのだ。愛する彩音との想いの籠もった街の為に…。

 だがそれと同時に暗黒神・風牙の力を手に入れたのだ。



 それから数十分が過ぎた。

 空にアスラの姿は無かった。ヨッタ・ジャス・ごんぞの姿も既に無い。

 銀河テロリスト“トラトラトラ”の脅威は回避された!




 街に平和が訪れたのだった。
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