???
 街は既に夕暮れ時を迎えていた。


「はあー疲れたな。」

 海沿いの道を走るハイラックスサーフ。

 その助手席の窓から、ヨッタが顔を出していた。

「本当だね。腹減ったね。」
 ポゴが同意し頷く。

「お前等、良く頑張ったからな。…よし、今夜は俺の家(母艦)で宴会にするか?」
 運転するごんぞが言った。

「俺、ラーメン!」

「僕、プリン!」

 こぞって注文するヨッタとポゴ。


「ははは、まったくガキだな。」
 窓の外から声がする。

「ジャスも来なよ。多い方が楽しいしさ。」
 ヨッタが言った。

 ジャスだった。ジャスはZ2に乗り、並走する。

「そうだな、よければお邪魔するよ。但(ただ)し金はねぇぞ。」

「金なんて取んねーよ。」
 ごんぞが呆れて返す。

「そうか、ありがとよ。…それよりヨッタ、いつまでその“かつら”かぶってるんだ?」
 ジャスが気付いて言った。

「え?…忘れてた。」
 その言葉にヨッタは、かつらに手を伸ばした。


 ヒューッ!

 突然、風が吹いた。

 かつらが風に煽(あお)られ吹き飛ばされた。

「あっ!」
 空を見上げるヨッタ。

 かつらは空に舞い、バラバラに解(ほぐ)れていく。

 そして夕日に染められ、キラキラと輝きを放ちながら空に消えていった。
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