???
「やっぱりこの辺にザーラ星人は潜伏してるらしいね。」
 ポゴが言った。

「どうするんだ?英雄(ヒーロー)に変身して、あいつらやつける?」

「いや、さっきも言った通り、あいつらは雑魚なんだ、数が多くてキリが無いよ。」

「じゃあ、あれは?ごんぞと初めて出会った時持ってた、あの変なチャカ。」

「ああ、“陽光子銃”ね。あれは、“パトロール隊員”の備品なんだけどね、あまり使えないよ。相手に数秒あてなきゃ意味無いんだ。あのすばしっこいザーラ星人には効かないよ。」

「パトロール隊員?銀河パトロールの事?そいつらもどこかに潜入してるのかよ。」

「あ…うん。来てると思う…あっち辺りかな。。…それよりまずは、ザーラ星人のオリジナルを探そうよ。」
 やけに歯切れの悪いポゴだった。

「オリジナル?何それ。」
 意味が分からず問い質すヨッタ。

「ザーラ星人は分裂して増えるって話はしたよね。でも全てのザーラ星人が分裂する訳じゃないんだ。あいつらはたった一人のオリジナルのザーラ星人から分裂したんだよ。そのオリジナルを倒せば、全てのザーラ星人は消えてしまうんだ。」

「へえ!で、そのオリジナルはどこにいるだい?」
 ヨッタが訊ねた。

「さあ、多分どこかに宇宙船があって、そこから指揮をとっているんだと思う。あいつら財布を奪っているだろう、それはオリジナルの元に運んでいく筈なんだ。だから後を追っていけば…」

「オリジナルに辿り着く!でも、あいつらに見つからずに、宇宙船まで辿り着けるのかな?」
 心配するヨッタ。

「大丈夫、ヨッタ、あの“カツラ”持ってきているよね。」

「カツラ?ああ持ってきているよ。ごんぞに『必ず持ってろ、こいつは、ヒーローの必須アイテムだからな。』って言われたから。」
 ヨッタは腰に掛けているポーチからあのカツラを取り出した。
< 38 / 218 >

この作品をシェア

pagetop