？？？

「それと、これを携帯に付けとけ。」
　ごんぞはアンテナの様な装置を取り出した。

「もしもって時は、このボタンを押せ。俺が駆け付ける。もしもって時だぞ、俺だって忙しい身だからな。」

「ああ、分かったよ。」
　ヨッタはそれを受け取り、携帯電話に取り付けた。




「ｷｭｰ！」

「臍下丹田（せいかたんでん）に力を籠めて！」
　ヨッタは言って、力を籠めた。体が赤みを帯て、見る見る力が漲（みなぎ）る。

「うおっ！」
　ﾊﾞｷｯ。ヨッタは左腕で、ザーラ星人のローリングソバットを叩き落とした。

「ｷ…ｷｭｰ」
　ザーラ星人は、壁に体を叩き打った。そしてそのまま立ち上がらない。

「な…何ででちゅ！きー、続けて、いくでちゅよ！」
　キャミーが駄々をこねる。

「ｷｭｰｷｭｰｷｭｰｷｭｰｷｭｰ！」
　ヨッタに第二波が襲って来た。今度は五匹、同時だ。

　ネリチャギのザーラ！ヨッタは更にそれの上部に飛び、ザーラの頭頂部に右の拳を叩き込む。

　滞空続けるヨッタに、フライングチョップのザーラ！ヨッタはその手を掴むと、持ったまま縦にｸﾞﾙﾘと回転し、壁に叩き付けた。

　着地するヨッタ。衝かさず極道（やくざ）キックのザーラ！ヨッタは腰を落し、ザーラのキックの下から股間目がけて右拳を穿つ（うがつ）。

　今度はダダッコパンチと頭付きだ！ヨッタは両手で二匹のザーラの頭を掴むと、互いに頭を打っ付けた。

　この間僅か、五秒！


「す…凄い！体が軽いし、楽に倒せる。」
　自分の変化に驚愕するヨッタ。英雄（ヒーロー）の力をまざまざと感じ取った。