???
「う…嘘でちょ!皆まとめて、行きなちゃい!」
 キャミーが両手両足をガンガン振って命令する。

 第三波は、全員攻撃だった。一斉に、切り込んでくるザーラ!

「はーっ!」
 ヨッタは両腕を伸ばし、まるで独楽(こま)の様に、グルグルと回転し始めた。

「ギュー!ギュー!」
 ザーラ達が次々と宙に舞う。とうとう全てのザーラが地面に屈伏した。


「あ…在り得ないでちゅ!きちゃま、地球人でちょ。こうなったら…」
 キャミーの顔面が蒼白になる。

「お前が自ら掛かって来るのかい?見てやるよ、トラトラトラの幹部の力!」
 ヨッタが興奮して叫ぶ。

「僕ちゃんを愚弄(ぐろう)するでちゅか!見てるでちゅよ!」
 そう言ったかと思うと、キャミーは、身を返し歩きだす。そしてティプリを伴い、ドックから逃げ出した。

「“トラしゃーん!”たちゅけて下しゃい!」

 思わぬ展開に虚(きょ)を衝かれたヨッタ。

「追うんだよ、ヨッタ。」
 ポゴが助言した。

「ああ…待てよキャミー!」
 ヨッタもキャミーを追ってドックを後にした。




 キャミーは娯楽施設の様な部屋に逃げ込んだ。

「トラしゃん、たしゅけるでちゅ!地球人が攻めて来たでちゅよ!」
 必死に頼み込むキャミー。その手前で一人の宇宙人が背を向けて、晩酌をしていた。

 バンッ!扉を叩き壊し、ヨッタが現われた。

「観念しろよ。キャミー!」
 キャミーを睨むヨッタ。

 キャミーは、ガクガク震え別の宇宙人に寄り添う。

「僕ちゃんは、戦闘要員じゃありまちぇん。トラしゃん、やちゅけて下ちゃい。」
 キャミーが別の宇宙人を見つめる。

 ドスン!別の宇宙人が一升瓶を床に置いた。そして立ち上がる。
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