???
「何だ、また違う奴が現われたぞ!」

 宇宙人は大柄で不思議な威圧感を漂わせる。そいつが、ヨッタの方を向いた。

 ゴツゴツ頭を五分刈りにし、不精髭(ぶしょうひげ)を生やす目付きの鋭い宇宙人だった。黒と黄の縞模様の体には、何故か腹巻を着込んでいる。

 ポゴが宇宙人を凝視する。
「あいつも、トラトラトラの幹部だ。確か、名前はトランクだ!」

 トランクの目が不気味に光る。凍て付いた暗黒空間を印象させる視線だった。

「キャキャキャ!トラしゃんは強いんでちゅよ!きちゃまなんて、一撃でちゅよ!その上、宇宙語だって“128宙語”話せるでちゅよ。ね、トラしゃん。」
 キャミーが誇らしげに豪語する。

「ウガウガガ…」
 トランクが、キャミーの耳元で何やら喚く(わめく)

「何でしゅって…『通訳首輪壊したでちゅって』…『あれは刺さって、痛いきゃらヤダ』…。ま、まあ兎にきゃく、やっちゃって下ちゃい!」
キャミーが叫ぶ。トランクが襲って来た!

「グワガ…『殺すぞてめえ!』と言ってまちゅ」」
 トランクの喚き声を、キャミーが通訳する。

「変なの。まあいいや、掛かって来い!」
 ヨッタは腰を落してフアィティングポーズをとる。

「ヨッタ気を付けて。」
 ポゴが助言する。

「ガゴ…『でいやー!』と言ってまちゅ」」
 トランクは腰を落し太い腕で、右の拳を放つ。

『は…早い!』ヨッタは右下に避ける。そしてその低姿勢から、トランクの顎、目がけて拳を突き上げた。

 だが拳は宙を切った。衝かさずトランクが、ヨッタの脇腹に拳を叩き込んだ。
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