???
「うおーっ!痛え!」
 堪らずヨッタは、バックステップで回避する。

「いいでちゅよ、トラしゃん。仕留めるでちゅ!」
 言ってキャミーは、何かをトランクに投げ渡した。
 キラキラと水流を放ちながら、宙を舞う物体。それをトランクが受け取った。

 それは一升瓶だった。ラベルには“虎政宗”と書かれている。


「グガガ…『これさえあれば百人力だ!』と言ってまちゅ」」
 トランクが一升瓶を口にし、ゴクゴクと呑みだす。口元から溢した(こぼした)酒が滴る。

「な…何で、酒呑んでるんだ?」
 脇腹を押さえ、ヨッタが呟いた。

「やばいよ。鬼に金棒、トラに酒。トラトラトラのトランクは、酒を呑んで強くなるんだ。」
 ポゴが言った。

「何だよそれ。」

「ヴバゲザズボ…『……』?」」
 トランクが切り込んでくる。避けるヨッタ。

 が、不意にヨッタ目がけて、一升瓶が飛んできた。

 バゴーン!一升瓶は、ヨッタの額に命中した!

「痛っ!くそぅてめえ!」

 ドカッ!ヨッタは頭に血が昇り、トランクにやくざキックを叩き込んだ。

「よっしやークリーンヒット!…」

「ゲギギ…『何かしたか?』と言ってまちゅ」」

 確かに直撃の感触はあった。だがトランクには通じない。

「何だ!不死身か?」
 ヨッタは驚きを隠せない。

「ガガガ…『はははは。』と笑ってまちゅ」」
 高笑いするトランク、そして両腕をブンブン振り回し、ヨッタを殴りだした!
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