???
「“鈍助”かい。こんな時間まで何してたの。」
 男が家に入ると、母親が起きてきた。

「お邪魔するでちゅ。」

 キャミーが挨拶した。

「何なのあんた達!お…お父さん、化け物が!」
 母親が叫ぶ。
「どうした、鈍子!」
 ガターン!襖(ふすま)を叩き開けて、慌てて父親が飛び出してきた。

 それは、なんと何出弥製作所のヨッタ達の上司、鈍平(どんぺい)だった。

「な…何だ君たちは!」

 鈍平の恐怖が始まる。



「はぁー食ったでちゅ。」

「グダヤラ。」
 キャミーとトランクは傷の手当てをして、鈍子に作らせた食事を満喫していた。

「まっちゃく、この星の空気は、くちゃいでちゅね。トラしゃん、これを吸うでちゅ。」
 キャミーが蝶ネクタイから白い棒状の物を取り出した。キャミーの蝶ネクタイはポーチ代わりにも使えるのだ。

 キャミーとトランクは、棒状の物を口にし火を点ける。


 キャミー達の生まれた星はメタン主流の大気成分の星で、地球の空気が体に合わないのだ。だから定期的に、メタンガスを吸引する必要があった。

「君たち、いつまでここにいる気だ。食事も済ませたのなら、帰ってくれないか?君らの事は、誰にも言わないから。」
 鈍平が訴える。鈍平と鈍助は、身動きが取れぬよう、紐で縛られていた。

「黙るでちゅ。それより、トラしゃん、これきゃらどうちまちゅ?Drシメジに連絡とらなきゃ。」
 キャミーには、鈍平を解放する気は無かった。

「ガババ…」

「ボスには黙っときまちょう。船を潰しちゃって言っちゃら、怒りゃれるでちゅよ。」
 キャミーがゾクゾクしながら言った。

「グングン。」
 トランクが頷く。

「無線装置をちゅくるでちゅよ。」

「グルワガガグ」

 トランクの言葉にキャミーが鈍平を振り返った。

「そうでちゅね。おい、貴様!この辺で、機械の加工できりゅ場所にゃいでちゅか?」

「機械加工?私の会社なら…」
 鈍平が言った。
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