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「おやおや、宇宙で迷ってた貴方をここまで乗せてきたのは誰です?それに、スーパーヒーローともあろう御方が嘘をつくのですか?『この恩は必ず返す』と言ったのは貴方ではないですか。」
 シメジが言った。

「くっ!それは…」
 ジャスが戸惑いの表情を見せる。

 そのやり取りを伺っていた、キャミーの目が光った。

「ジャスしゃん、落ち着いて。これでも飲むでちゅよ。」
 言ってキャミーがレジ袋から何か取出し、ジャスに放った。

 ジャスは片手でそれを受け取る。

「何だこれは?」

 それは、缶コーヒーだった。しかもボス“レインボーマウンテン”

「コーヒーでちゅよ。宇宙人はそれ飲むでちゅ。」
 キャミーがほのぼのと言った。

「本当か?これが“珈琲”、時代は代わったな。」


 過去、ジャスが地球を訪れたのは百五十年程前、明治時代だ。当時このような物は無かった。

「風呂上がりの一杯か、貰っとこう。」
 ジャスはコーヒーを飲みだす。

 キャミーの目が、益々光る。

「美味かった!…仕方ない、義理を仇で返す訳にはいかんからな。お前等は見逃してやる。では俺は、帰らして貰うぞ。」
 言ってジャスは、玄関先に足を向ける。

「まちゅでちゅ。コーヒー代、置いてくでちゅ。」
 キャミーが仁王立ちで言った。

「な…何だと、今のは奢り(おごり)じゃ無えのか!」
 ジャスはキャミーを睨み叫んだ。

「グイニゲ!」
 トランクが叫ぶ。

「しょんな小ちゃい事で、怒んにゃいで下ちゃい。お金しゃぇ払りゃえば、いいんでちゅから。」
 キャミーが鼻の穴をほじくり言った。

「て…てめえ、この俺を馬鹿にしてんのかぁ?払ってやるよ、いくらだ!」
 ジャスは怒り爆発気味に叫ぶ。

「百二十円。」
 キャミーが答えた。

「ひ…ひゃくにじゅう円?…………!家何軒建つんだよ!」
 ジャスが、テンパった!
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