ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
佐倉の一言でみんな立ち上がり、温泉へ向かう。
その途中、1番後ろを歩いていたあたしの隣には、いつの間にかワンが来ていた。
…いつの間に?
そう言えば、今日はまともに1度も話しをしていない。
忙しいのもあったけど、スノボをしているワンは、いつものワンじゃなくて。
変に、あたしばっかり意識してしまっていた。
その上、佐倉の女子大生の話し。
余計な事まで考えてしまう。
「稀衣ちゃん」
あたしの名前を呼ぶワンは、何も変わらないいつものワンだ。
少しホッとしてる、自分がいた。
「なに?」
「お風呂からでたら、少し話そう?」
予想外の言葉に、目を丸くしたままワンを見た。