ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



だけど安藤のオデコに、熱さまシートが貼ってあるのに気付いた。



「…調子悪いの?」

「いえ…別に」



そう言った安藤は、オデコからシートを剥がす。



「あたし、安藤を探してた」

「俺ですか?」



首を傾げる安藤を見つめながら、あたしは口を開いた。



「昨日のことだけど…」



――――“バタバタバタ”



「あぁ!安藤やっぱりここにいたー!」



誰?!



タイミング悪。



あたしが開けっ放しにしていたドアから、顔をのぞかせる女子生徒。



「ほら早く部活行くよっ!」



その子はズカズカと保健室に入ると、安藤の手を引っ張る。



「今いくとこだったんだよ」

「嘘ばっかり言っ…」



…………。



???



女の子はあたしの存在に気付くなり、安藤の腕をつかんだまま硬直してしまった。



え…?!



「…すいません先輩。コイツ、先輩の大ファンなんですよ」



そう言う安藤は、背の低いその子の頭に手をのせた。



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