ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
ガムシャラに投げられたボールは、ゴールネットへ吸い込まれるかのようにして入っていった。
――――“シュパッ”
ネットの音がして、ボールが床に落ちた。
――――“ピーーーーッ”
それと同時にゲームセット。
最後にドラマを見せたとは言え、負けは負けだ。
選手たちがコートの中央に整列した。
「えーと、賭けの結果は安藤の勝利。よって鮎沢ちゃんとのデート権は…」
「賭けは引き分けですよ」
「え?」
佐倉の言葉を遮ったのは、安藤だった。
「怪我人相手にこの点差では、勝ったとは言えませんよ」
「だ、誰が怪我人だよ?!」
安藤、気付いてたんだ。