ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



「あれ、自分が怪我してるってことにすら気づいてなかったんですか?」

「だから怪我なんか…」



安藤は必死に否定するワンに近付いていき、



――――“むぎゅっ”



怪我した左足を踏みつけた。



「~~~~っ!!」

「これでも無傷だと?」



ワンは足を抱え込み、床にうずくまった。



「頭おかしい、アイツ…!」



そう叫ぶワンは目に涙を浮かべている。



「という訳で、賭けは引き分けです」



こうして安藤の申し出により、賭けは引き分け、球技大会は前代未聞の1年生チーム優勝という結果に終わった。



あたしはコートにおりて、体育館の中央で座り込んだままのワンに近付いた。




< 461 / 606 >

この作品をシェア

pagetop