ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
「あれ、自分が怪我してるってことにすら気づいてなかったんですか?」
「だから怪我なんか…」
安藤は必死に否定するワンに近付いていき、
――――“むぎゅっ”
怪我した左足を踏みつけた。
「~~~~っ!!」
「これでも無傷だと?」
ワンは足を抱え込み、床にうずくまった。
「頭おかしい、アイツ…!」
そう叫ぶワンは目に涙を浮かべている。
「という訳で、賭けは引き分けです」
こうして安藤の申し出により、賭けは引き分け、球技大会は前代未聞の1年生チーム優勝という結果に終わった。
あたしはコートにおりて、体育館の中央で座り込んだままのワンに近付いた。