ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
なのに、いつしか俺はこんな役所になってしまっている。
「純平ってさ、もう鮎沢ちゃんのことは諦めたの?」
たい焼きを食べ終え、鮎沢ちゃんを送ると言ってマコ達と別れた後、麗奈が唐突に話を切り出した。
大河と竜は、2人で話しながら俺達の前を歩いていた。
「なんだよ、急に?」
「いや、最近あんまり邪魔しに入んないから」
「邪魔って…そんなしてたっけ?」
俺はわざととぼけたふりをする。
邪魔といえば、邪魔なのか。
「してたよ、十分。最近しないから、諦めたのかなーって」
「諦めたっていうか、元々そんなに本気で邪魔してた訳じゃないじゃん?」
「ふーん?(嘘ばっか)」
「からかうと面白いじゃん、アイツら」
「ふーーん?(面白いね)」
「………」
「一応あたし、純平のことずっと見てた役所だったんだけど?」
「役所って…麗奈ちゃん。(そうハッキリ過去形で言われると、なんか寂しいじゃねーか)」
「ワンには敵わない?」
「え?」
「純平はいつも、ワンが1番だよね」
「ははは。男に走ったみたいな言い方はやめようか、麗奈ちゃん」
「なんかさ、変わってくよね。周りも自分も」
「…おい聞けよ」
「どうなってるかなぁ、来年の今頃」
「1つ言えるのは、マコは1年後も童貞のままってことだ」
「え~?案外そうでもないんじゃない?」
「は?そんなの俺が許さねー」
「アンタはワンのなんなのよ」