ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
麗奈とはよく、深くもなく浅くもない話しをする。
俺のことをよく見抜くから、会話しやすいってのもあるかもしれない。
「お前はどーすんだよ」
「え、なに?」
「竜に告うのかよ」
その麗奈は、現在幼なじみの竜に片想い中だ。
俺は前を歩く竜を見つめたまま言った。
「…え」
麗奈は驚いた顔して固まってしまった。
無理もない。
麗奈が俺ではなく、竜に好意を寄せていることを、俺は知らないはずだからだ。
「え、なんで知ってるの?!誰に聞いたのよ?!」
「誰にも聞いてないけど?」
誰かに教えられた訳じゃない。
俺がそう思ってたことだ。
竜のために意地になってる麗奈に、気付いてた。
だから俺は、麗奈に応えられない。
そんなことをしていたら、いつの間にか曖昧な関係が出来上がった。
複雑だよな、人間関係ってやつはさ。