ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
――――翌日。
「純平ってさ、彼女つくんないよね?」
俺の机の周りには、数人の女の子が集まっていた。
「え、そーだっけ?」
「なんで?」
なんでってそりゃ、好きな人がいれば彼女なんかつくんないだろ。
そんなこと言ったら後が面倒さいから、絶対言わないけど。
「モテるのにさぁ」
「彼女くらいつくればいーのに」
振り向いてほしい人には見向きもされない、そんなモテ男だなんて虚しいだけだぜ。
「ねぇ、なんでなの?」
「俺はさ、みんなと平等に遊んでたいんだよね。1人に絞れないし、縛られたくもない、ってわけ」
口だけは達者の虚しいモテ男だ。
「ためしにつくればいいのにー」
「思いの外いいかもよ?」
「いや、当分はいらねーな」
そう言うと、俺は立ち上がった。
「どこいくの?」
「保健室」
一言だけ告げて、俺は授業開始のチャイムを聞きながら教室を出た。