ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
俺はベッドに腰かけて、先生の後ろ姿を見つめる。
「あなたの周りは、いつも賑やかそうね」
確かにここには、俺のプライベートを探ろうとするやつなんて、どこにもいない。
「なに先生、いつも俺のこと見てるとか?」
「…大人をからかわないで」
大人大人ってよく言ってるけどさ、たいして変わらないだろ。
「先生いくつだよ?」
「言う必要はないわ」
「ある」
「ない」
「なんで」
「ないものはないからよ」
ほら頑固だし、大人気ないだろ?
「まー、何歳でもいいけどさ」
諦めた俺はそう呟いてから、ベッドに転がった。
…眠い。
落ち着く。
ボールペンの音と、紙の音。
たまに聞こえる、コーヒーをすする音。
なぜここが、たまらなく落ち着くのか。
普段動物みたいな連中と一緒にいると、たまには静かな場所が恋しくなるとか?
…てキャラでもないだろ。