ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



――――クリスマス当日。



天気は残念ながらの、晴れ。



アイツらバカップルは、楽しい楽しい温泉旅行に出掛けたんだろうと思いながら、俺は働いていた。



「純平くん、まだ混まないと思うから、少しの間店番頼めるかな?」

「はーい。出掛けるんですか?」

「ちょっと用事でね。クリスマスなのに悪いねぇ」

「いや…(どうせ、彼女いないんで)」

「じゃ、頼むよ」

「いってらっしゃ~い」



オーナーがいなくなり、俺は店に1人になった。



本格的に1人だなこりゃ。



暇だからいーんだけど。



客もいないので、俺はカウンター席に腰掛けた。



「うわー…静か」



保健室とは、訳が違う。



あそこはカーテン越しにも、人の…



あの人の気配がするから落ち着くんだよ。



こんなに静かになるもんなんだと、はじめて知った。



こーゆーのを、寂しいとかって言うもんなのだろうか。



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